会報『かぬち』15号(2011年4月発行)

CONTENTS

1) 支部長挨拶(JIA 沖縄支部長 慶佐次 操)
2) 建築展『夢への贈り物』
3) リレーエッセイ『住まいの備忘録』
4) リレーエッセイ『建もの旅日記』
5) 第14回卒業設計作品選奨

 

支部長挨拶 第24回世界建築会議「UIA2011東京大会」への参画

先に、今回の「東北地方太平洋沖地震」で震災に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
さて、今回で私の支部長任期2期目を全うさせて頂きます。07年度の改正建築基準法施行の大混乱に始まり、改正建築士法等、法規制が年々改正され、設計業務環境に大きな影響をもたらした4年間であったと言えます。
そこで、下記の様今回の事業報告をさせて頂きます。

 

1:「設計業務環境の現状」
改正法による確認申請の停滞化も、現在は審査期間等において混乱の域を脱した感があります。当初の申請書類の厳格化や作業量の増大が除々に緩和され、審査も以前より円滑に行われている様です。
次に「国交省告示第15号・新業務報酬基準」に伴う公共建築物の設計等業務発注についても、「建築設計業務等積算基準」の改定を受け、設計業務報酬増が執行されております。
これらは行政のご尽力の賜だと誠に感謝を申し上げるものです。

2:「若い世代の育成活動」
卒業設計選奨も今年で14回目と定着化し、建築を志す学生達の大きな励みとなっています。応募作品も年々力作揃いで、若者らしい斬新なアイディアとプレゼンは審査員に新鮮さを与え、将来の活躍を予感させているようです。一方若いメンバーからなるチームJ+A(ジュア)も、会員を招いてのミニ講演会や自主研修に励み、今後のJIA支部活動を継承してゆくものと期待が持てます。

3:「建築文化事業」
2010年12月21日〜26日に建築展「夢への贈り物」+JIA会長「芦原太郎」氏の講演会を開催しました。支部会員の作品パネル展と、模型(住宅、ビル、公共施設等)を100個展示して、これからの建築を考える方々へ、何らかの参考にでもなり得れば、との思いで企画しました。
芦原会長の講演会では、「UIA 2011東京大会」のアピールと、会長ご自身の建築作品を通して、これからの建築家像を熱く語って頂きました。参加された若い方々にとっては将来への方向性を感じ取れたのではと思われます。

4:第24回世界建築会議「UIA 2011東京大会」
2011年9月25日〜10月1日にかけて東京国際フォーラムをメイン会場に、「UIA 2011東京大会」が開催されます。それは建築のオリンピックと呼ばれ、著名建築家、技術者、研究者、学生など約1万人が、世界中から集まる「世界建築会議」です。1948年スイス・ローザンヌで開催以来、3年に1度、世界の各都市で開かれ、日本での開催は第24回目となる今回が初めてです。
沖縄支部も「沖縄建築展」と「OKINAWA世界遺産と竹富島の集落を巡る旅」の2プログラムで大会に参画し、外国からの参加者と交流を図ります。

以上、今年の支部活動等を紹介しましたが、今後もJIA支部活動が、微力ながらも地域社会貢献と沖縄の建築文化発展の一役になり得る事に期待を寄せて、私の任期の締めとさせて頂きます。
「皆様4年間のご支援、誠に有難うございました‥‥」

建築展「琉球浪漫2010〜夢への贈りもの〜」(UIA2011 東京大会キャラバン事業)

建築関係者にとどまらず広く県民に向けて、日本で初めて開催される建築家の世界大会「UIA2011東京大会」の周知とJIA沖縄支部及び会員のPRを目的に建築展「琉球浪漫2010〜夢への贈りもの〜」と銘打った展示会・文化講演会を2010年12月21日(火)〜26日(日)沖縄県立博物館・美術館で開催致しました。
クリスマスの時期と重なった事から、ささやかな"夢への贈りもの"と銘打ち、展示会では、21名の会員の立体的な作品パネルをはじめ、住まい備忘録のパネルや100ヶ近くの模型をインスタレーションし、多くの県民(約500名)に鑑賞して頂きました。
また、建築文化講演会においては、芦原会長に「これからのJIAと建築家」という演題で講演をして頂きましたが、JIA会員や若い建築家の方々への熱いメッセージとなりました。

OKINAWA ARCHITECT 21

石川幸延、伊良波朝義、運天勳、運天浩、大仲英彦、大嶺亮、金城傑、金城司、金城優、久高多美子、国吉真正、慶佐次操、國場幸房、島田潤、當間卓、仲間郁代、永山盛考、長谷部廣、本庄正之、美濃祐央、山城東雄

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