会報『かぬち』17号(2013年5月発行)
CONTENTS
支部長挨拶
沖縄支部の昨年の活動を振り返ると、特筆すべき事が二つあります。
まずひとつは、海外交流委員会を設け、海外との交流を活発に行うことを試みたことです。蒸暑地域の気候風土である東南アジアの一員として、お互いの文化や技術の取り組みを理解して、日々の設計活動に役立てると共に、東南アジアの国々でビジネスチャンスに繋げようという、大きな将来にむけた活動です。
その第一歩として、タイのバンコクへの視察を行いました。さらに、今年2月には、タイでお世話になった大学の先生方が来沖された際に、再び交流を深める事ができました。今年度は、11月下旬にチェンマイを訪問する事が決まりました。是非みなさまにも参加いただきたいと思います。
これからも、タイと継続的に交流を続けると共に、他の東南アジアの国々へも視察を重ねることで、沖縄の建築家が、東南アジアでも積極的に建築活動ができる様に、交流の活発化を図りたいと思います。
そして、もうひとつは、3月に県立博物館・美術館で開催したJIA沖縄支部15周年建築展です。「風土に活きる」というテーマで過去の沖縄の建築家の足跡を辿ると共に、沖縄の建築の今までとこれからを、様々な角度で検証し、未来の沖縄の建築の在り方を俯瞰する意欲的な試みでした。同時に企画した講演会には、世界的建築家の槙文彦先生をお迎えして、講演をしていただきました。「グローバリゼーションの中で建築を考える」と題した演題は正に、我々がこれから向かう道であり、その究極の目的は、普遍的な人の佇む空間だという感動的で示唆に富む講演を拝聴することができました。
さて、本年4月より、日本建築家協会は公益社団法人となりました。公益社団法人への移行により、JIAは、より市民活動を活発に行い、建築の質の向上及び建築文化の創造・発展に貢献することになります。
今年度も。前年度の取組を、より身近なものにして行くことで、我々の活動を深化し、拡大させるべく会員の皆様と共働し、行動して行きたいと強く思います。
現在沖縄支部では新会員の増強を図っております。すでに実績豊富な方、そして建築家を目指す若い方々、共々是非JIAに加わって頂きまして、沖縄の建築文化の発展と、豊かで美しく魅力的なまちづくりの調停者として、共に地域に貢献してゆきたいものと、思いを新たにするところです。