会報『かぬち』20号(2016年5月発行)

CONTENTS

01) 支部長挨拶(JIA 沖縄支部長 當間 卓)
02) JIA沖縄支部沖縄未来建築塾
03) リレーエッセイ「建築家をめざして」
04) 2015年度(第19回) 通常総会・講話・建築懇親会
05) 建築家大会2015 金沢「みんな力」-ともに在る社会へ-
06) 沖縄から東南アジアへ
  沖縄県建設産業グローバル化推進事業への取組
07) JIAフレッシュマンセミナー・神戸2015
  フレッシュマンセミナー研修報告
08) JIA沖縄支部 国際交流事業
  2015年度香港マカオ研修報告書
09) 琉球浪漫2016 沖縄建築展
10) JIA沖縄支部 第19回卒業設計作品選奨
11) 2015年度JI A リフレッシュセミナーに参加して
12) JIA沖縄支部 新規会員紹介
13) 支部会員名簿
14) ジュニア会員及び法人協力会員名簿

 

支部長挨拶 

日頃から沖縄支部の活動に、ご理解と多大なご支援をいただき有難うございます。
 特に協力会員の皆さまには「2016 沖縄建築展」や「卒業制作選奨」に多大なご支援を頂き誠にありがとうございました。

 2015 年6月に新支部長の拝命を受け、役員の若返りを図り、新しい事業活動と新しいリーダーとしての組織運営に明確なテーマをもって取組んだ一年となりました。
2015~ 16 年度のテーマは「若手建築家の人材育成」と「将来展開としての国際交流」です。若手とはすでに建築に携わっている若手設計者や大学生はもとより、5年、10 年後に建築家を目指すであろう小中高生も対象としています。去る3月に支部活動の総括となる建築展が「2015 琉球浪漫 ケンチクカってなあに」をテーマに開催されました。テーマにあるように小中学生を対象にした「こどもけんちくワークショップ」では、紙管を組合せ大きな空間を会場に造ることで、つくる喜び、自由な発想、豊かな創造の楽しさを子供たちに感じていただきました。また、JIA沖縄支部の認定プログラム、クイズ形式の「こども建築家になろう!」では、沖縄に由来する建築基礎知識を出題し、子供たちに答えてもらうことで建築家という職業を子供たちに知ってもらい、自分の街にある建築や風景を意識するきっかけとなればと考えています。全問正解すると「登録おきなわこども建築家(ROKAs ロカス)」認定カードを発行します。今回は117人のこども建築家が誕生しました。その他、第19回を迎えた卒業設計作品選奨の公開審査・発表では大学生、専修学校生、工業高校生の作品を評価し、将来の建築家を志す彼らの背中を押してあげました。

 また、建築文化講演会では若手建築家として活躍中の「永山祐子氏に「建築というきっかけ」をテーマに話していただき、いつも見ている風景の中に新しさを見出す視点、発想力の大切さや女性として、幼い子を持つ母親としての日々の葛藤やどんな環境にいても効率的に考える前向きな姿勢は、会場の若者たちに力強い勇気と刺激を与えたことでしょう。

 2016 年6月より、我々が数ヵ月掛けて練ってきた若手設計者育成プログラム「沖縄未来建築塾」が開塾します。塾生はU-40の若手を対象としていますが、オブザーバー参加も可能です。年8回の勉強会は県内外より建築家や建築評論家、様々な分野の作家を招聘しての講和形式のものやワークショップ、視察などを取り入れながら1年間で建築家としての職能について学んでもらいます。この事業はJIA本部の「事業活動助成制度」の採択を受け継続した事業とすることにより多くの若者が建築家として巣立ことを期待しています。

 今年度の国際交流事業は2/24 ~ 28 の5日間、香港建築家協会(HKIA)との交流を行いました。今年で4回目の国際交流ですが、JIAが世界と繋がっていることを実感する事業です。支部国際交流委員会が中心となり、JIA本部国際交流委員長の紹介を受け、香港の大学・珠海学院と日程調整、情報交換を行いながらHKIA新春レセプション参加、HKIA会員事務所での最新プロジェクトのレクチャーや現場視察、新旧香港街並みのフィルドワーク、沖縄建築文化のレクチャーなど密度の濃い交流となりました。

 また、沖縄県の助成を受けた「沖縄建設産業グローバル化推進事業」も最終年度を迎え、ベトナム・ハノイでの最終プレゼンテーションを実施し、3年間の継続事業が終了しました。近い将来、我々の培ったノウハウが東南アジアへ進出する際の大きなバイブルとなることを期待します。その他、若手の登竜門として定着した県主催のU-40 コンペや第2回目を迎える「沖縄建築賞」についても支部を挙げて取組んでいきます。
 今年度も建築家をめざす若者が育ち、建築界が益々活気づいていくと同時に、沖縄の建築家が豊かで魅力的な街づくりに貢献することで、職能として社会的に信頼される士となるよう活動を続けます。

 

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