日本建築家協会 第4代沖縄支部長 挨拶

地域に必要とされる支部づくりを目指して

日本建築家協会沖縄支部長 慶佐次 操
 

支部長に就任するにあたって

沖縄を代表する建築家で、人望の厚い国場幸房氏の後を受け、この度JIA沖縄支部長を引き受けさせて頂くことになりました。  これまで国場支部長は、多様な交流を通して、多くの方々にJIA沖縄支部の存在と、建築の素晴らしさを広くアピールしてきました。そしてわれわれ会員には、氏のこれまでの建築作品を通して色々なエピソード・時代背景・経験・技術論等を教えて頂きました。そのような幅広い行動力と寛容な国場支部長の後を受け、浅学非才な私に何が出来るのか、自問自答する不安と、責任の重さをかんじるものです。幸いメンバーには多士済々な方々がおられます、会員、賛助会員のお力もお借りしながら、良い建築、良い地域環境を創り、そして建築家の業務環境の改善に向けた活動を行い、地域社会に必要とされる支部づくりに努めてまいります。

建築家の社会的信頼の回復

昨今の建築に係る社会的事件以来、設計者への信頼が失われつつ、加えて建築設計を取り巻く業務環境も年々厳しくなってゆきます。そのような状況下にあっても、建築家は発注者の要望に応え、より良い建築を創らねばなりません。そして、各々の建築が重なり合って一つの街並みが形成されてゆくという責任をも同時に課せられます。その責任を全うするが故にも、建築家の業務環境の改善が求められます。県内の他建築3団体との協調も図りながら、建築家の業務環境の改善に繋がる活動に積極的に取り組み、設計者の社会的信頼の回復に努めます。

次世代育成活動と幅広い会員拡大

沖縄支部では建築家志望の学生や、若い建築家(J+A)に対して育成活動をおこないます。毎年行われる卒業設計選奨も今年で11回目と定着化し、建築を志す学生達の励みになっています。又、J+Aの自主研修の支援を通して、若い方々と会員との交流を行ない、共に自己研鑽の場としています。一方、建築設計者でJIA活動に協調頂ける方々へ幅広く会員拡大を図り、建築家の地位向上に向けた活動を共に展開し、そして次世代へと繋ぐ組織構成にしてゆきたいと考えます。

支部設立10周年記念事業

沖縄支部も今年で10周年を迎えます。これまで徐々に組織が出来つつある中、JIA大会2002沖縄の開催、「F・L・ライト」上映会、「公共建築の日」共催等、地域に根ざした支部活動を通して、地元の諸関係機関の理解ご協力のもと、お陰様で幾つかの事業をなし得ることが出来ました。今年10周年の節目であることから、沖縄の建築文化に貢献する事業を計画・実行し、今後とも地域社会に必要とされる支部づくりに努めてゆきます。どうぞ皆様の協力ご支援を宜しくお願い申し上げます。