日本建築家協会 第6代沖縄支部長 挨拶

日本建築家協会第6代沖縄支部長 當間 卓   toumasan.jpg

 2015年6月に新支部長の拝命を受け、新しい支部活動への期待と新リーダーとしての心地良い緊張感を持ちつつ、更に身を引き締めて新年のスタートを切っていきたいと考えております。

 さて、昨年を振り返りますとJIA沖縄支部の東南アジア進出に関し、具体的に行動をとった年となりました。二年目を迎えた沖縄県の「建設産業グローバル化推進事業」は、現地調査・視察の段階を終えて施主の意向を踏まえた詳細な提案の段階となり、昨年11月にはベトナム・ハノイにて基本計画書及び計画案を用いて設計説明会を実施しました。その際、自然エネルギーを活用した省エネ対策、環境負荷低減を目指す建築などをBIMによりプレゼンテーションを行い、同じ蒸暑地域に調和した新たな建築のあり方を提案致しました。

 未だ計画段階ですが実現すれば、会員の海外進出を支援する事業が可能になると考えています。また、今年度はその集大成としてベトナムにおける設計監理業務を実行するための「設計監理マニュアル」を作成いたします。

 今年度、特に力を入れていきたい事業は「建築を志す若者の育成」です。島国沖縄は他県のように需要に応じて建築士や技術者が県域をまたいで移動することが容易ではなく、更に全国的にも若い方の建築離れが深刻化しています。技術者育成には数年掛かることを考えると直ぐにでも取り掛からなければならない課題です。建築士育成の民間機関やカリキュラムは多くありますが、我々は建築家を育てることを目的にしているので独自のプログラムが必要であり、それを来春開講予定の「沖縄建築未来塾」に向けて準備を進めているところです。この建築未来塾が若手建築家育成に留まらず、中高校生や小学生へ「建築家になろう」と呼びかける事業へと展開していくことを望んでいます。

 日本建築家協会沖縄支部は、会員一丸となって沖縄の建築文化の発展を目指し、建築家が魅力的なまちづくりの調停者として貢献できるよう思いを新たにし、念頭のご挨拶といたします。