会報『かぬち』18号(2014年5月発行)
CONTENTS
支部長挨拶

日頃から沖縄支部の活動に、ご理解と多大なご支援をいただき有難うございます。
昨今建設業界は、技術者、職人の人員不足、建設物価の上昇で工事の遅延また、入札の不落と以前に想像し得なかった事態が生じています。今こそ建築の技術者、職人の業務環境を改善して、今後の若手育成を踏まえて業界が動きださなければいけない時期だと思います。社会ストックとしての健全なる建築を創るための環境整備を関連団体が連携して取り組まなければなりません。
さて、2013年4月より、公益社団法人への移行により日本建築家協会は、より市民活動を活発に行い、建築の質の向上及び建築文化の創造・発展に貢献することになりました。沖縄支部も沖縄の建築文化の向上と発展に寄与すべく、大いに活動の幅を広げてきたいと思います。
昨年の支部活動を振り返りますと、11月に海外交流委員会を中心とした活動で一昨年のタイ・バンコクへの視察に続き、チェンマイへの視察旅行を行いました。チェンマイ大学での東南アジアのバナキュラーな民家の調査研究のレクチャーやタイ王立建築家協会の建築家の方々との交流会を物など、より実りあるせいかを挙げることができました。これは、沖縄の建築家の東南アジアの国々での設計活動へ繋がる将来に向けた活動の第1歩となるでしょう。また、県のグローバル事業化の補助を受けてのタイとベトナムでの設計受注に向けての取組も始まりました。今後も継続的に海外交流を行うことで、沖縄支部の会員の東南アジアでの建築活動が具体化する事を目標に、交流の活発化を図りたいと思います。
12月には、県主催による若い設計者を対象とした設計コンペ(U-40)ナングスコンペの公募審査が行われました。次世代育成活動の目玉として関係部署のご尽力の結果、平成23年に浦添大公園エントランス管理事務所のU-40のコンペが行われました。それが素晴らしい完成を見ることで、今回のコンペにつながりました。これからも若手建築家の登竜門として定着することが望まれます。支部としても引き続き支援して行きたいと思います。
年が明けて3月には、自然豊かな山原(ヤンバル)の地で『風景をつくる』のテーマで会員の建築展と山下保博氏を審査委員長に迎え、卒業設計作品選奨の公開審査を開催しました。また、氏には『地域素材から街づくりへ』と題して講演をして頂き、多くの市民に参加を頂きました。
今年度もこれまでの活動を踏まえ、下記の3つの基本方針の元、充実した活動をして行きたいと考えています。
1. JIAの独自性を保ちながら他会と連携して市民への公益活動広報活動を積極的に行う。
2. 次世代を見据えた、若手育成の具体的な教育、研修活動を行う。
3. 海外事業の展開を目標とした海外交流活動を行う。
会員相互の連携を蜜にして沖縄建築文化の発展と、魅力的なまちづくりの為に貢献したいと思います。そして、世界への活動の拡大を現実のものとする事も積極的に行いたいと考えています。これからも、JIA沖縄支部をよろしくお願いいたします。