会報『かぬち』

会報『かぬち』14号(2010年4月23日発行)

【 CONTENTS 】

   (1)リレーエッセイ『住まい備忘録』
   (2)沖縄科学技術大学院大学見学会
   (3)J+A(ジュア)活動報告
   (4)第13回卒業設計作品選奨

 

~リレーエッセイ~『住まいの備忘録』  金城 傑

沖縄県内で毎週発行されている専門誌(沖縄建設新聞)との企画で、JIA沖縄支部会員を中心とした住まいに関するリレーエッセイの連載が、昨年7月より慶佐次支部長を先頭にスタートしました。
 新聞社にとっては、住まいをテーマにしたリレーエッセイは初企画という事でしたが、"住まいの備忘録"というタイトルで、自邸での様々な実験を始め、支部会員がこれまで手掛けた住宅の施主との設計・工事中の打ち合わせや完成後の思い出やエピソード、追求してきた建築家としての熱い思いなどをエッセイとして自由に書いてもらい、読者に気軽に読んで頂くという内容で、これまでに15名余の支部会員のエッセイが関連写真と共に、既に新聞に掲載(隔週)されてきました。
 多種多様な切り口で語るこれらのエッセイを通して、支部会員諸氏の住まいに対する様々な思い・考え方を垣間見ることができ、住宅建築に携わる者にとって大変興味深く、これまでには無かった貴重な企画になっているものと思われます。
 この連載は、今年の夏(約1年間)のゴールに向かって後半のメンバーにリレーされていきますが、新聞を通してJIA沖縄支部のPRにも大きく寄与するものと期待しています。また、新聞連載の終了後、支部HPを活用して同連載を紹介できればと思っています。

※これまでの掲載記事は『沖縄建設新聞』掲載記事でご覧頂けます


沖縄科学技術大学院大学(仮称)見学会レポート 前田 慎

2010年3月7日沖縄県恩納村で建設が進む「沖縄科学技術大学院大学」の見学会が行われ、400名以上が参加した。
 キャンパスは手付かずの自然の保護を優先するために、建物を尾根に配置して沢を守り、トンネルとエレベーターでアプローチして道路や駐車場面積を軽減する配置計画(施設概要より抜粋)とされている。
 大規模で最高水準の研究施設で、世界最高峰の研究チームが、ハイレベルな研究を行う。ファサードは、外部環境に溶け込むような色使い材料の選択がされ、仰々しい外観形状を緩和し、自然との融合を目指している事がよく伝わるものでした。インテリアは、研究者が心置きなく、存分にハイレベルな研究を持続し、醸成させる事ができるように、心的傾向にとても配慮した空間でありました。
 大学院大学の見学会に参加して、建築空間は人の為にある事を再認識しました。建築が自然と共存することの難しさを再認識しました。
 写真は見学会時の物です、建物写真は雑誌等でご覧頂ければと存じます。

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【建築概要(1期工事)】
 ◆設計 (株)日建設計、コーンバーグ・アソシエーション、(株)国建
 ◆監理 (株)日建設計、(株)国建
 ◆敷地面積 482,878㎡
 ◆建築面積 8,099㎡
 ◆延床面積 25,271㎡
 ◆構造  S/SRC/RC造
 ◆階数  地下3階・地上3階


J+A(ジュア)活動報告 「風土を理解する大切さを知る」
伊佐 直哉

今年、J+A(ジュア)の活動は9年目を迎えます。 今年度は11月下旬、(有)デザインネットワークの島田潤さんをお招きして「光と風、そして風土」という題での講演をいただきました。
 島田さんが影響を受けた建築や人物、考え方から始まり、現在に至るまでの経緯、そして、その土地に根差した風土を活かした建築の考え方などを伺うことができ貴重な体験をさせていただきました。
 参加者も今回は多く、特に琉球大学の学生が多く参加しました。普段、大学では知ることのできない実際に建物を造る時の問題点やそれを解決する為に生み出された工法など知ることができてとても良かったと感想を述べていました。
 講演の後は夜の打ち上げに行きました。
そこでも島田さんの熱い建築に対する思いなどを聴くことができとても貴重な体験と同時に私の建築に対する思いにも熱が入りました。
皆大いに盛り上がりとても貴重な一日を過ごすことができたと思います。
 またその他にも、交流を深めるためにJ+Aビーチパーティーを開いてこれからの沖縄における建築の在り方など色々な意見を交わしながらのバーベキュウはとても良い思い出になりました。

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