会報『かぬち』26号(2022年7月発行)

CONTENTS

・支部長挨拶
・公益社団法人 日本建築家協会(JIA)沖縄支部
 2021年度(第25回)通常総会議事録
・JIA沖縄支部 オンラインツアー
・第7回沖縄建築賞
・第10回沖縄県設計アンダー40競技
 ティーダフラッグス2021大度浜海岸の公衆トイレと休憩所
・沖縄県アンダー40設計競技「ティーダフラッグス」の
 10年を振り返る
・ロ-カリティ-への挑戦 ―日本ベトナム建築コロキアムー
・公共建築の日・公共建築月間 WEB講演会
・琉球浪漫2022沖縄建築展 首里城の輪郭展
 ~細部から見える首里城の魅力~
・JIA オンライン建築家交流戦
 近畿支部(滋賀・京都)VS 沖縄支部 交流イベント
・第25回 卒業設計作品選奨
・JIA 沖縄支部国際交流活動報告書
・追悼 又吉清春様
・JIA 沖縄支部 新規会員のご紹介
・JIA沖縄支部 会員名簿

 

支部長挨拶 

 平素より(公社)日本建築家協会(JIA)沖縄支部の活動に格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。法人協力会員の皆様におかれましては、毎年各事業に対し多大なご協力を賜り、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 沖縄支部は1997年6月に九州支部より分離し、現在支部発足25年目となります。JIAは全国に10支部あり、1県1支部は北海道と沖縄のみとなっております。

 日本唯一の亜熱帯気候に属し、独特の文化圏を持つ沖縄建築を再考し、世界に誇れる建築文化の将来像を、会員と共につくりあげることを2019年度から事業計画の中心に据え支部活動を行ってまいりました。市民に対して「頼れるJIA」として、会員に対して「学べるJIA」として、また組織として「楽しめるJIA」を掲げ、地域の独自性を活かした活動や建築文化の向上に努めて参りたいと思います。

 昨年5月の通常総会において2期目の拝命を受け、支部活動をスタート致しましたが、新型コロナウイルス感染症の猛威は収まらず、昨年11月に予定していました建築家大会を本年10月へ延期し、安全・安心な大会はもとより、ここ沖縄の地で開催する意義を再確認し、コロナ禍で得られた技術を駆使したハイブリット形式の大会を目指し、現在実行委員会を中心に準備を進めております。昨年10月に開館した那覇文化芸術劇場なはーとを中心に徒歩圏内で移動のできる会場を設定し、本会の取り組みをより多くの方に感じて頂けるように広く県民にも開かれた大会にしたいと考えております。

 さて、昨年を振り返るとオンライン形式による会議や事業は一般的なものとなり、島嶼県の垣根を超えられたと感じています。本部主催の「SDGs建築フォーラム2021」や「2050カーボンニュートラル連続セミナー」、「越境建築家たちとの対話シリーズ・クロスボーダーアーキテクト」など、国内外をつなぎ共通の課題を議論するプラットフォームが構築されるなど、これまでの環境ではありえなかったことが実現しています。支部ではほとんどの会議をオンラインで開催してきましたが、会員や協力会員との交流を活発化させるべく、昨年11月から「法人協力会員オンラインツアー」を開催致しました。これまでは会員間のみとなっていた交流をオンライン化することにより、会員事務所スタッフにも参加いただくことができ、協力会員のPRも一挙に拡大できるメリットも生まれたと思います。また、支部学生会員と全国各支部の学生会員を結び、JIAが若手育成を後押しできる環境の整備も進めています。

 支部事業においては、コロナ禍の影響により「沖縄未来建築塾」は中止となりました。沖縄県が主催しJIA沖縄支部や他団体の後援で実施しているティーダフラッグス(U40コンペ)は今回で10回目を迎え、若手の登竜門として定着しています。事業を継続して実施して頂いている沖縄県に対してこの場をお借りして感謝申し上げます。3月の「建築展」は、10月の全国大会プレイベントとして「首里城の輪郭」をテーマに開催しました。首里城の図面や焼失遺物等の展示、平成の復元時に携わった設計者による講和、講師を囲んでの座談会を通じて首里城の魅力を知って頂ける機会になったと思います。また、第25回卒業設計作品選奨は、高校部門4点、専修・専門学校部門3点、大学部門6点の出展があり、公開審査による白熱した議論が交わされ、学生達も大いに刺激を受けたのではないでしょうか。最優秀作品はJIA本部主催の全国卒業設計作品選奨へ沖縄代表として出品されます。

 結びに、次年度も「建築展」や「卒業設計作品選奨」、「沖縄未来建築塾」等、更に10月の全国大会の成功裡を目指し、会員始め建築家を志す学生や若手育成の環境を整え、JIAの公益活動を通じて魅力的なまちや建築にづくりに責任を持って関わり、社会に信頼されるよう活動を推進して参りたいと思います。

 

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