会報『かぬち』24号(2020年5月発行)
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支部長挨拶

平素より(公社)日本建築家協会(JIA)沖縄支部の活動に格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます。特に法人協力会員の皆様におかれましては、毎年各事業に対し多大なご協力を賜り、この場をお借りしてお礼申し上げます。
沖縄支部は、1997年6月に九州支部より分離し、支部発足23年目となります。その様な中、昨年5月の支部定期総会におきまして、第7代支部長を拝命致しました。全国単一組織であるJIA10支部の1支部としての立ち位置をしっかりと踏まえ、建築文化の向上に努めて参りたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
日本唯一の亜熱帯気候に属し、独特の文化圏を持つ沖縄建築を再考し、世界に誇れる建築文化の将来像を、会員と共につくりあげることを2019年度の事業計画の中心に据え支部活動を行ってまいりました。市民に対して「頼れるJIA」として、会員に対して「学べるJIA」として、また組織として「楽しめるJIA」を掲げ、様々な事業に取り組んで参りました。特に「若手建築家の育成」、「東南アジアとの国際交流」、「沖縄建築文化の向上」を事業活動のテーマとして各委員会を中心に企画・運営を担って頂きました。
若手建築家の育成では、45歳以下を対象とした第4期沖縄未来建築塾「建築に触ろう・沖縄に触ろう」をテーマに、ものづくりの原点に触れることを基本としながら、国内外で活躍している著名建築家を講師としてお招きし、双方向で学び語り合える環境を整え全7回開催しました。また、毎年沖縄県にて開催しているティーダフラッグス(U40コンペ)では、若手の技術力向上に貢献できるように、建築士会・事務所協会と共に準備段階から公開審査まで関わりました。
東南アジアとの国際交流では、今年3月に7年ぶりのタイ国(チェンライ・バンコク)への訪問を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響により延期となりました。
沖縄建築文化の向上では、第23回卒業設計作品選奨を開催し、工業高校、専修学校、県内外の大学から多くの出展があり、レベルの高い作品に白熱した議論が交わされ、学生達も大いに刺激を受けたのではないでしょうか。なお、最優秀作品は、JIA本部で開催する全国学生卒業設計コンクールへ沖縄代表として出品されます。これまで沖縄からの入賞はありませんので、卒業設計に掛けた想いをぶつけて入賞を果たして頂きたいものです。
また、毎年開催している建築展は、昨年10月31日に焼失した首里城を中心とした企画展示「首里城の輪郭」展~首里城から考えること~を予定していましたが、展示関連の講演会と共に、更に待望であった妹島和世氏をお招きし開催する予定であった建築文化講演会も含め、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点より延期となりました。この状況が早く終息し、平穏な日々が到来することを切に願っております。
今年度も昨年同様、建築家を目指す学生や若手が育つ環境を整え、JIAの公益活動を通じて各会員が魅力的なまちや建築にづくりに責任を持って関わり、社会に信頼されるよう活動を推進して参ります。